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──SI・ベンダーとのパートナー連携も進んでいますね。

宇陀 日本ではSI・代理店経由で導入されるケースが多いのでパートナー連携は営業戦略の主軸です。錚々たる企業が自前のクラウドコンピューティングの概念を出し始めておられますが、そのコンポーネントとして当社のソリューションも採用されてきています。結局、ユーザーだけでなくSI・ベンダーも即効性を求めているのです。スピードがますます重要になってきています。そういう意味ではIT産業全体が、1から売る・作る従来の「フロー」型から、当社のような月ごと年ごとにベースが加算されていく「ストック」型のビジネスを志向しているのだと思います。右肩上がりの時はフロー型でもいいでしょうが、やがてリソースの限界がきます。ストック型を併用することで適正なリソース配分ができ、経営的にも安定するのではないでしょうか。

クラウドのリソースを活かし
サービス・サポート領域を一気に拡大

──さて、御社がSalesforce CRMのなかで元々強みを持っているのはSFAおよびマーケティング支援領域をカバーする「Sales Cloud」ソリューションですが、ここにきてサービス・サポート領域向けの「Service Cloud」にもフォーカスしています。その狙いは。

宇陀 あらゆる企業がコール/コンタクトセンターをはじめとする顧客接点の窓口を持っていますし、しかも、いずれなんらかのSaaS型アプリケーションを使うことになると予測していますから、その意味でもサービス・サポート領域の市場のすそ野は非常に広いとみています。当社はそれぞれの製品を訴求するのではなく、ITの“サービス”を提供するビジネスモデルですから、そもそもSalesforce CRMでサービス・サポート領域をカバーできているわけですが、改めて重点強化し範囲を広げることで、ユーザーがどの領域から導入されようと、その規模やタイミングなどを問わず柔軟に対応できる強みを一段と発揮するためです。

──Service Cloudの現状は。

宇陀 ワールドワイドでは全ユーザー数の20%から30%がService Cloudをなんらかの形で利用していますが、日本国内ではまだ10%弱です。当社との開発ライセンス契約によってユーザー自身でアプリケーションを構築し、それをサポート部門やコール/コンタクトセンターにも適用しているケースはありますが、最初からサポートあるいはコール/コンタクトセンター運用目的でのパッケージサービスとしての実績はまだまだで、まさにこれから拡大していきます。

──アドバンテージは何ですか。

宇陀 クラウドコンピューティングのリソースを有効に活用したソリューションを提供できることです。検索サービス「Google」やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Facebook」、ミニブログサービス「Twitter」といったクラウド上の有力なプラットフォームから情報を取り込み、同じくクラウド上のスペシャリストの知見をナレッジベースに集約して、サービス・サポートに活用できることが決め手です。国内においても既に「mixi」などと連携していますが、さらにさまざまな提携先を検討しています。


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