──ダイレクト事業本部でのカスタマーケアセンターの役割は。
福永 基本的に有人(対面)の営業部隊を持たない当社にとって、お客様と直接コンタクト(非対面)し新規契約獲得や継続・異動の諸手続きを受け持つ中核セクションと位置づけられています。電話・インターネット・モバイルのコンタクトにすべて対応し、しかもこれらのフロントオペレーションだけでなく、契約引き受け、保険証券の作成、更新手続きや事前案内、各種異動・保全手続きといったバックヤード業務を含めて当ケアセンターで完結しているのが特徴です(なお、事故受付は損害サービス部が担当)。マーケティング部やプランニング部など当本部の各セクションのキースタッフが週1回のペースで会議を開き、事業や予算の目標を共有したり、例えばメディア出稿プランとの業務すり合わせ確認を行うなど、常に密接な連携をとっています。逆に、ケアセンターで集約したお客様の声を分析、イントラネットで各部門に発信し、改善・実行を促すVOC活動の起点としてのミッションを担っています。
東・阪で350名体制
重点KPIは「見積り発行率」
──カスタマーケアセンターの体制と規模を教えてください。
福永 東京(調布)と大阪(千里)の2拠点で、フロントオペレーションとバックヤード、管理チームを含めて要員(ケアスタッフと呼称)は総勢約350名(東京:270名、大阪:80名)です。雇用形態は正社員が100名強、直雇用の有期契約社員が250名弱。男/女比は約2対8です。主力の自動車保険(バイクを含む)、一部の傷害保険のインバウンドおよびターゲットを絞り込んだアウトバウンド業務や、各バックヤード業務を商品ごとにグループ分けしています。そして、管理チームはQAサポート(モニタリング担当)とCCCサポート(採用・面接、スクリプト構築、各種マニュアル作成、経営指標管理など)で20名弱で構成しています。インターネットやモバイルへ誘導していることもあって、一時期に比べると同じ契約数でも入電数は減っています。その分、ネットやモバイル経由が増えており、新規では50%強がネット、継続になるとネットとモバイルで75%弱となり、年々両チャネル経由のコンタクト比率が増えています。とは言っても、各種問い合わせやネット契約の操作説明、見積りサイト利用時のフォローなどを含めて電話の利便性は高く、重要なコンタクトチャネルであることに変わりはありません。
──重点KPIは何にされていますか。
福永 一般のコールセンターであれば応答率や平均通話時間ということになるでしょう。もちろん、この指標も大事ですが、当センターは事業・ビジネスに直結した戦略センターだけに、それ以上に収益貢献の指標を重視しています。大きなものとしては「見積り発行率」。これは、見積り依頼の受付専用電話での新規入電に対してどれくらいの契約見積りを出せるかという指標で、見積りに必要な保険証券内容などが直ぐに分からないケースや見積り依頼に至らない簡単な質問も多いために、目下のところ50%を目標にしています。そして、数値をチーム単位、個人単位で日々管理し、例えば数値が下がってきたケアスタッフに対してQAがモニタリングを行って原因を分析し、メンタルケアなども含めて改善策をフィードバックしています。さらに、数値結果を誰でも見える仕組みにして、公平な形で評価制度とリンクさせています。収益貢献への意識は全ケアスタッフに浸透しており、目標達成に対するモチベーションも高いことから、定着率などにも良い結果を生んでいます。
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