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我々は電話のオペレータではない!
マルチ対応でコンタクトの敷居を低く

──安い保険料を売りにした同業他社が増えるなど競合が激化するなかで、ダイレクトモデルの先行会社として新たな差別化をどう図るお考えですか。

福永 いち早くモバイルでも見積りから契約まで完結できる仕組みを整えたり、金融業界で先駆けてTwitter(ブログとチャットを足して2で割ったようなコミュニケーション・サービス)に対応したり、またエコロジーに対する企業姿勢から、政府指定のエコカー減税対象車種に割引特約を実施するなど、商品サービス面の差別化はもちろん図っていますが、カスタマーサポートにおいては、やはり先に申し上げたケアの精神を改めて追求することに尽きます。そのポイントは、クロスチャネルにマルチスキルで対応することでワンストップオペレーションを文字通り実現していることです。私は常々スタッフに「我々は電話センターのオペレータではない」と言っています。このクロスチャネル・マルチスキルで、基本的に1人のスタッフがワンストップで対応できているセンターには自負心があります。いくらPCやネット環境に慣れ親しんでいるお客様であっても、保険サイトをみる機会は年に何回もないだけに、お客様にとってのコンタクトの敷居を極力低くし、電話でもネットやモバイルでもワンストップで的確に対応し利便性を高めることが、単なる価格競争に巻き込まれることなく、また高い継続率に結び付く要諦だと考えています。そのためにも、ケアと共にITツール活用を促すイノベーションの部分も強化し、この両輪の機能に一段と磨きをかけていきます。

──御社は各種のCS調査で上位にランクされることも多いですが、その理由もここにあると。

福永 おかげさまで、応対・サポートのファクターでは引き続き高ポイントの評価をいただいておりますが、これと関連して新たな取り組みも始めました。昨年9月に実施した「サンキューキャンペーン」がそれで、文字通り、お客様から「ありがとう」という感謝の言葉を通話の中でいただく機会をどんどん増やしていこうという活動です。これは、単に自己満足や自画自賛に終わるのではなく、通話中にお客様の不安や不満をしっかり聞き取り、真のニーズを汲み取ることがポイントです。この結果が通話のクロージング時点で感謝の言葉をいただくきっかけにもなるわけで、QAのモニタリングを通じて全通話を確認してケアスタッフ個々の「ありがとう」の回数を定量的にカウント。個人やチームごとにランキングして表彰対象にすることで、モチベーションを高めています。さらに、スタッフ同士で話し合ったこのキャンペーンで得た体験を基に、自分達が毎日心がけることとして「クレド(信条)」を作成。『親身な対応でお客様の期待を超えるサービスを提供します』というメッセージをセンター内の随所に掲示するなど、こうしたES面の施策からCS向上に結び付けていく活動も、今後強めていこうと考えています。
(聞き手:鈴木 信之)


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