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作成者のセンスが問われるアンケート調査
「サイエンスではなくアート」と心得る

――CS調査の手法は多様化しています。その使い分けのポイントをどのように考えていますか。

浅野 CS調査には、仮説検証型と問題発見型の2つのタイプがあります。多くの企業が実施しているアンケート調査は仮説検証型、フェース・トゥ・フェースで顧客の声を聞くインタビューやモニタ制度による意見聴取は問題発見型の調査と位置づけることができるでしょう。ただ、あまり厳密に定義付ける必要はないと思います。また、より広く捉えれば、コールセンターにおけるクレームをはじめとした問い合わせ履歴の蓄積や営業マンが顧客とのやり取りを記載する営業日報の検証も、サーベイとは言えませんがCS改善のための情報収集手段です。
 いずれにせよ、どれかひとつの方法だけでCSを捉えられるというものではないし、また継続しなければあまり意味はありません。アンケート、インタビュー、顧客接点から得られる顧客の声。これらを組み合わせて問題発見と仮説検証を進める必要があります。

――アンケート型のCS調査は、設問の組み方次第で企業側がある程度、恣意的な結果を導くことができると思うのですが。

浅野 この種の調査の最大の落とし穴は、『回答者(消費者)はアンケートの作成者(企業)の意図に迎合する傾向が強い』ということです。消費者は、自分が選択して購入した商品/サービスを真っ向から否定することは少ない。とくにアンケートに回答するような“顧客”ならばなおさらです。言い換えれば、企業側が「こう回答して欲しい」と思ったことがほぼそのまま結果として表れがちなのです。一見、何の問題もないようなことではありますが、これでは顧客の真意を反映した調査ではなく、まさに恣意的に回答を誘導したものとなります。
 CS調査の設計においては、『(企業が)聞きたいことだけを聞いてはいけない』ということを念頭にいれる必要があります。むしろ、『(回答者が)言いたいことを聞くべき』なのです。作り手は、常に自分のセンスが顧客の心理と合致しているのかを自問自答しながら調査票を設計しなければ、まったく実態とはかけ離れた結果を生む可能性が高い。作り手のセンスが問われるという点では、CS調査とはまさに“サイエンス(科学)というよりも、アート(芸術、技術)である”といえるでしょう。

――おっしゃられるように回答者が無意識のうちに作り手の意図に迎合するのならば、自社ユーザーへの調査の設計はより難しくなりますね。

浅野 それを避けるための具体的な方法としては、自社調査に加えて第三者機関による覆面調査を組み合わせることで、より実態に近い結果を手にすることができるでしょう。その際の覆面調査では、調査を委託している企業名がわからないように設計しなければなりません。すぐに「この会社の調査だな」とわかってしまっては、自社調査と同じように“迎合した結果”が導き出される可能性が高くなります。

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