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評価の選択肢は“奇数”が無難
「普通」の排除は企業論理の押し付け

――最近のCS調査の傾向を見ると、設問に対する回答の選択肢が、曖昧さを避けるような作りになっているケースが多いような気がします。実際に専門家に聞いても「普通」という回答ができないように、例えば5段階ではなく4段階、3段階ではなく2段階というように作るべきと指摘する方もいらっしゃいます。

浅野 これはあくまでも個人的な見解なのですが、その手法はむしろ実態を表す結果にはならないと考えています。例えば、5段階評価から「普通」にあたる「3」を外して、「とても悪い」「悪い」「よい」「とてもよい」という4段階の選択肢に変更したと仮定します。その際、それまで「普通」につけていた顧客は、ほとんどの場合「よい」につけてしまいます。結果、トップ・ツー・ボックスはハネ上がることになりますが、これは“顧客の真意”といえるでしょうか。
 日本人は「普通」という回答を好む傾向があるので、評価尺度は偶数よりも奇数の方が回答しやすいはずで、お客様にとっては好ましいと思います。一方で、中間層を省くことは分析者にとってはわかりやすい結果となるでしょう。しかし、消費者にとっては企業側の論理の押し付けに他ならず、もっと端的に言えば嘘の結果を招く可能性が高いと思います。
 IBMはワールドワイドで同じ調査の軸を持っており、顧客に対しては11段階での評価を依頼しています。ここまで細かくしなくとも、少なくとも日本では5段階評価が最も無難であると個人的には感じています。

“真意”を探るには失敗も必要!
トライ&エラーの繰り返しで精度を上げる

――調査結果の活用まで含めたCS調査のポイントについて、ご意見を聞かせてください。

浅野 結果の分析・活用については、(満足度が)上がった下がったで一喜一憂しないことです。申し上げた通り、短期的な視野に基づいたものではなく、長い目で見なければいけません。人間に例えれば健康診断のようなものです。従って、定期的に、継続して行うことが何よりも大事です。もうひとつ付け加えるならば、情報の共有です。CS調査は全社的な改善活動の一環であると定義付け、結果を共有する仕組みを作り上げなければ問題点の発掘も仮説検証も難しい。幸い、近年ではITによる情報共有の仕組みが構築されつつありますので、それをフル活用すべきです。

――重要なのは継続性。そして改善につなげるための仕組み作りということですね。先ほど調査担当者のセンスという指摘もありましたが、それを磨くにはどうすればいいとお考えですか。

浅野 CS調査は、どうしても統計学をはじめとした学問的なアプローチに傾きやすいのですが、突き詰めれば作り手と答える顧客の両方が納得のいく設問と結果が導き出されるか否かという点が重要になります。もちろん、分析手法に統計学を用いるのは当然ですが、最終的に作り手に問われるのは顧客の真意を捉えるためのセンスです。そのためには失敗を恐れてはいけません。恣意的な結果を生みがちだという話もありましたが、これを最初から完全に排除することは不可能に近い。知らず知らずのうちに、誘導尋問のような設問になってしまうこともあるでしょう。その意味でも“トライ&エラー”を繰り返して顧客の真意に近づくことが必要なのです。
 また、企業に対する真意を聞くという意味では、調査票は『企業が顧客に宛てたラブレター』であり、その意味でも出し手と受け手の“納得性”は何よりも大きなポイントといえます。
(聞き手・矢島 竜児)

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