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──何故ですか。

宮脇 通常、この手法の導入・推進には調査会社などが入り、第1ステップとして顧客アンケートなどの定量調査からパターン分けを行います。しかし、コンタクトセンターのコミュニケータは電話応対した瞬間にパターン分けまでしています。そうでないと上手くコミュニケーションできませんから。そして次のステップは、パターン分けしたタイプを1つの人物像に絞り込んでいくために、通常は直接インタビューなどによって浮き彫りにしていくのですが、コミュニケータは日々の業務の中でこのインタビュー調査を行っているようなものです。なにしろ、顧客のことは現場のコミュニケータが一番よく知っているのです。例えば、1時間に5人と応対すると年間で1万人くらいと会話している計算になります。その中で「1人の人物像を絞れ」と言えば直ぐに出てきますよ。その人の趣味や好きな食べ物、1日の行動パターンから、家族構成やどんな家に住んでいて、さらに間取りまでイメージできます。日々接する膨大な顧客の声のバックボーンがあるからです。そして、第3ステップは、イメージした人物像を元に販促や商品開発に役立つストーリーを創ることですが、この部分についてコミュニケータはあまり得意ではありません。ところが、コミュニケータが3、4人集まって話し合えば自然にストーリーになっていきます。そこで、マネージャーやリーダーは、業務時間の中でコミュニケータ同士が話し合いのできる時間の確保と場を設定し、とにかく聞き出すのです。ヒントが山ほど出てきますよ。これを有効に使えばストーリーが仕上がります。

コストが一ケタ安く実現できる
かつセンター活性化にも有効

──調査会社が入らなくても出来ると。

宮脇 調査会社のデータがいらないということではありませんが、遜色のないレベルで、かつ顧客の生の声が集まるコンタクトセンターはもってこいの場だと思います。しかも、コストが格段に違い、コンタクトセンターで実践すれば1ケタ安くすみます。実際に、当社のセンターでもペルソナデザインによるマーケティング業務を受託していますが、いずれも好評をいただいています。さらに、ペルソナデザインの実践を通じてセンタースタッフのトレーニングに役立ち、スキルやモチベーションアップにもつながります。おまけに、一般的に今一つ効果が見えないとも言われているテキストマイニングツールにしても、過度な期待をせずにペルソナデザインとかみ合わせることで相乗効果を発揮できます。

──ペルソナデザインを御社のコンタクトセンターソリューションとしてもっと拡大していくのですか。

宮脇 これだけをビジネスにしているわけではありませんし、当社センターの物理的な限界もありますが、ただ、是非一度試してみては如何と言いたいです。そのためのコンサルティングや伝道師とし ての役割は積極的に果たしていくつもりです。
(聞き手・鈴木 信之)


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