──国内のコンタクトセンター市場(システム周り)の現況をどうみておられますか。
倉橋 音声系のシステム・ソリューションは総じて需要一巡の感があるなかで、コンタクトセンター向けの引き合いは再び強くなってきました。景気低迷下、各企業は原点回帰と言いますか、商売の基本に立ち返る動きにありますが、コンタクトセンターは顧客や取引先との第一の接点であり、まさに基本部分です。ここを抜本的に見直しコスト最適化を図ることの重要性が改めて認識されていることが、厳しいシステム投資抑制の中にあっても、他の投資に比べれば優先順位が高い理由になっているのではないでしょうか。
──御社の状況は如何ですか。
倉橋 センター規模の大小や業種を問わず、ここにきて案件が増えています。企業グループ再編などによるセンター・システムの一新やリプレースはもちろんですが、まったくの新規案件も出てきています。当社は5年ほど前に企業向けネットワーク事業の中核ソリューションとして「UNIVERGE(ユニバージュ)」を立ち上げ、ブロードバンドをキーにしたオフィス改革や効率化に力点を入れてきました。コンタクトセンターもUNIVERGEの重要な要素であることに変わりはないのですが、より訴求ポイントを明確化するために、2009年4月、新たに「コンタクトセンタシステム部」を発足しました。東京だけでなく、大阪にも分室を設置し専任者を常駐させるなど、体制を強化しています。
──組織名にコンタクトセンターと改めて明記したことに意気込みを感じます。
倉橋 ちなみに、企業ネットワークソリューション事業本部の中で、私が管轄する第一企業ネットワークソリューション事業部は、パートナー(チャネル)系と関西・中部エリアを除く全業種、全エリアを担当し、第二の方が主にパートナー系をカバーしていますが、いずれも業種軸でタテ割りの組織になっています。これに対してコンタクトセンタシステム部は、音声系、データ系と情報処理系を含め横断的にソリューションの企画・開発から構築、販売まで、いわばテーマ軸で一貫サポートできることが特徴です。テーマ軸という意味ではもう1つ、「セキュリティシステム部」もありますが、こうした方がお客様企業にもわかりやすいし、また社内においてもミッションがはっきりします。コンタクトセンター案件の増加に対応して、今後さらにメンバーなどの増強を考えているところです。
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