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品質を左右するのは「経験値」
オペレータの勤続年数にこだわる

――ブロードバンドが当たり前の時代が到来したことで、顧客サポートにおける課題と近年の業務の変化についてどう見られていますか。

近藤 かつて、サポートにおいて大きな領域を占めていたネットワーク接続作業のサポートが容易になった半面、通信キャリア/回線事業者/ISPとさまざまな事業者が関連しているため、問題の切り分けが難しくなりました。加えて、光が普及するに伴い、TVをはじめとした家電とのインターネット接続も行われるようになったため、その傾向には拍車がかかっています。
 あらゆるデバイスがネットに接続する時代になりつつある現在、ISPにはより高機能なサービスが求められていると思います。具体的には、よりお客様に安心していただくために“顔が見えるサポート”も必要だと考え、カスタマーサポート部門では訪問サポートのハンドリングも行っています。また、PCメーカーが行っているようなトラブル監視ソフトの導入も検討中です。当然ながら、コンタクトセンターでのオペレータの対応品質向上にも取り組んでいます。

――オペレータのトレーニングもパートナー企業任せにはしない、ということですか。

近藤 例えば、モニタリング指標は全センターで共通化して、逐次見直しを図っています。最近では、応対スキルは丁寧さよりも正確性を重視する評価に切り替えました。
 また、これは最も重要視しているのですが、『マニュアル化されただけのサービスはサービスではない』という考え方の徹底を図っています。先ほど申し上げたようなコンシェルジュ・サービスを提供し、さらに新規獲得のチャネルとして進化するには、コンタクトセンターにありがちなマニュアル・トークだけでは不可能で、実現するには“オペレータ各人の経験”がモノをいいます。もちろん、ナレッジベースやスクリプトといった業務支援ツールの充実もカスタマーサービス部門が主導して進めますが、同時に各パートナー企業と協同で、オペレータの勤続期間をいかに伸ばすことができるか─を重要なミッションとしています。
(聞き手・矢島 竜児)

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