中谷 そうです。立ち上げ時のフレームワークはアウトソーサーのリソースを活用し当面ジョイントしていくつもりですが、本格展開に伴い自前でスタッフを採用し育成していく考えです。その際、非常に重要なのはアウトバウンドセールスならではのノウハウの確立です。米国のDNC法施行後の状況をみるまでもなく、いくら電話で接触機会が増えると言っても、いきなりセールスの話を持ち出しては即切られてしまいます。そこで、クロスセルに際しても、まずお客様の話を『聴く』フォローアップコールから入り、もしお困りのことがあれば技術相談員に連絡して派遣する手続きをしたりしながら、ある意味のパーミッションを取った後にセールス提案をしていく形を志向しています。米国でもインバウンドの手法をアウトバウンドに持ち込むことがトレンドのようですが、当社の考えもまったく同じです。トライアルを進めながらトークスクリプトや業務フローを固め、アウトバウンドの経営管理指標を決めていきます。
6月までに300ブースに拡大
専用オペレータ500人体制へ
――今後、アウトバウンドコールセンターをどのくらいの規模に拡大していくお考えですか。
中谷 2005年末に、札幌と福岡にアウトバウンド専門センターを立ち上げて各20ブース、計40ブースでスタートしましたが、2006年6月までに両センター合わせて300ブースに一気に拡大して全国をカバー(札幌センターで北海道と関東エリア、福岡センターで九州と関西エリア)し、約500人のアウトバウンド専用オペレータを確保する方針です。基本的には、既加入のお客様向けのセールスは全てアウトバウンドで行う考えです。当面、ケーブルテレビからのクロスセルを重点的に推進しますが、並行してアナログ契約からデジタルへの切り替え促進のためのアップセルに力を入れていきます。その一環で、今回提携したウィルコムさんの移動体端末をベースにしたモバイルサービスも展開していく考えです。
――従来の訪問営業はどうするのですか。アウトバウンドシフトを強めることで営業マンの処遇も課題になりますが。
中谷 対面営業の主体は、本来営業の基本である未加入のお客様の新規獲得になります。対象エリア自体がますます拡大していますし、新規獲得によるシェアアップは常に目標にしていかねばなりません。また、ウィルコムさんの移動体端末は法人市場でも伸びているだけに、対面営業を法人向けに展開していくことも今後の選択肢になります。