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SVの仕事はコールを聞くこと
徹底したモニタリングでアップセルを実戦

――確かに、人材の確保・教育は、応対品質の向上を大きく左右するファクターです。教育プログラムはどのような体制を敷いているのですか。

戸田 クオリティ・コンサルティング・サポートというユニットを作り、これを社長直轄の組織としています。会社全体の教育プログラム体系を構築する部門で、具体的にはアップセルを前提としたトークスクリプトの作成などを行っています。モニタリングをベースとした教育の手法を体系化するための取り組みで、全センター・全業務に適応することで品質向上・平準化を図っています。また、案件によっては、現場に“DBOT”という組織を派遣しています。これは、デザイン・ビルド・オペレーション・トランスファーの頭文字を取ったもので、インハウスによるセンター構築に際して、立ち上げまでの業務支援を行うものです。

――トークスクリプトの構築は、社長自らが関わるほど重視すべきものだと捉えているのですか。

戸田 WOWOWのカスタマーサポートを例に取ると、今やコールセンターにおける対応で成約した契約は、量販店などの営業からの獲得件数を上回っています。これは、アップセルを前提とした教育プログラムの効果だと考えています。見込み加入者からの問い合わせから契約に転じる獲得率は当初5%台であったものが現状では60%を超えており、これはスクリプト効果が大きい。アップセルの実績を積み上げることは、当社にとってビジネスの切り口となり得ると考えていますので、その素材となるモニタリングをはじめとした教育体系の構築は極めて重要なプロセスだと捉えています。

――インバウンド・センターにおけるアップセルは、生産性が低下する傾向が強いことから取り組むセンターが少ないのが現状のようですが……。

戸田 トークタイムの短縮だけが生産性向上の手段ではありません。(生産性における)最重要課題は、後処理時間の整理です。そのためにも、モニタリングは徹底して行います。当社では、録音音声とオペレータの操作画面を同期化できるクオリティ・マネジメント・システムを導入し、スーパーバイザーにはコールの応対内容と後処理の両方をチェックしたうえでオペレータの評価をするよう指導しています。アップセルのトークを体系化するためにも、モニタリングが基盤となります。また、WOWOWのカスタマーサポートにおけるモニタリング経験は、アップセルをはじめとした運営モデルという形で体系化され、その他の業務でも活用されています。それが当社の大きな強みです。
 国内のテレマーケティング市場は、すでに成熟期に差し掛かっています。今後は、競争による淘汰の時代に入るでしょう。生き残りのためのキーワードは、“教育体系を確立できているか”ということだと思いますので、こうした強みをフルに活かしたいと考えています。

次のターニング・ポイントは「2007年」
デジタル新時代の顧客サポートを模索

――マスメディア、福利厚生と事業に2つの柱が生まれたことになりますが、中・長期的に見て新たにチャレンジしたい分野はありますか。

戸田 電話だけではなく、Web系のコンタクト・チャネルにおけるマルチチャネル・サービスを訴求する方針です。Eメールやチャット対応に関しては、コストパフォーマンスが悪い、スタッフの教育体制をはじめとしたマネジメント・モデルが確立していない、といった理由でインハウス/アウトソーサーを問わず積極的に展開しているところが少ないのが現状です。しかし、すでにWOWOWのカスタマーサポートにおいてはEメール対応のウエイトが高まっているように、消費者の観点から見ればニーズがあるのは明らかです。
 また、メディアに関わるトピックとしては、デジタル放送への移行が挙げられます。2011年に地上波デジタルへの完全移行を控え、2007年から関係各所でその準備が本格化する見通しです。
 2007年といえば、ちまたで騒がれている「2007年問題」も控えています。これによって、カスタマーサポートの重要性を認識しながらも人手不足に陥る企業が増える可能性が高いと考えています。アウトソーサーにとっては大きなビジネスチャンスになり得ます。(イー・テレサービスとの)経営統合による事業拡大を果たした今年に続いて、同年は当社にとって大きなターニング・ポイントとなるでしょう。教育体制の体系化やセンター拠点の増設・新設もそれを見据えたものといえます。
(聞き手・矢島 竜児)

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