――顧客対応部門でCS(顧客満足度)向上は重要なミッションですが、敢えてNo.1にこだわる理由は何ですか。
長島 製造業は技術・開発部門をはじめ営業でもお客様(エンドユーザー)と直に接することはほとんどありません。このなかで当社はパイオニアのカーオーディオ/カーナビ、家庭用AV製品の修理サービスや購入前・後のカスタマーサポートを通じて、お客様と直接触れている唯一のグループ会社です。昨今のデジタル機器は部材さえ揃えばどこのメーカーでも同じような製品を作れてしまうような状況ですが、そのなかで総合メーカーや海外メーカーと違うパイオニアらしさを打ち出すためには、開発・製造プロセスもさることながら購入前・後の相談や修理・アフターサポートを含めたトータルなサービスを提供し、そのマインドをお客様に感じ取っていただくことが重要です。さらに、お客様が何を考え、パイオニア製品や企業そのものに何を要求されているのかをいち早く的確にパイオニア本体の各部門に伝えることは、カスタマーサポートセンターに限らず当社の大きなミッションと言えます。そこで改めて『CS No.1』を全社スローガンに掲げ、指針と目標値を具体的に示すことで、このミッションをより鮮明にしようとしているのです。
――成果は表れていますか。
長島 修理サービスでは、お客様から電話を受けた翌営業日までには訪問修理を完了できる体制に向けて、修理技術向上、スピードアップを図るために、治具手配、サービスマン教育などのあらゆる面を徹底化しています。そして、私どものカスタマーサポートセンターでも、お客様からパイオニア製品に対する質問やご意見をいただいた時にその場で即座にご要望にお応えできる体制を目指しています。一次応対コミュニケータ(相談員)のスキルアップを図り、指標として電話相談に対する応答率80%、Eメール完了率2日以内90%を目標にしましたが、既に前年度末の段階で応答率90%、Eメール完了率93.3%を達成しています。これらの取り組みがお客様に評価された1つの証明として、日経ビジネス誌が行った「2005年アフターサービス調査」の満足度ランキングのうち、DVDレコーダと薄型テレビの2品目でいずれもパイオニアが1位をいただくことができました。こうした客観的な評価は現場スタッフにとって大きな励みになるとともに、当社および当センターの目指してきた方向性は間違っていなかったと自負しています。
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