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  その事例は出てきているのですか。

松下 例えば、TOTOはリニューアルマーケットを中心に今期69%の増益だそうです。従来は大量ロットでの新規案件が収益源だったはずですが、ショウルームを通じて顧客とのコミュニケーションを深めたり、工務店・代理店との連携強化、さらに建具や建材をワンパックにしたリニューアルパックの商品化など、顧客コミュニケーションチャネル、商品、組織体制が揃って、住宅需要がフラットのままでも増益を達成できたのです。住宅関連に限らず、やはり、リピートユーザー、リニューアルマーケットを確実に捕捉していくことが、これからの企業収益のカギになります

  収益性の観点が強まると、マーケティングのやり方や、さらに組織の在り方を変えることに繋がるというわけですか。

松下 顧客中心経営を実現しようとする時、最も重要なのは顧客あるいは顧客セグメントごとにビジネスを組み立てる組織構造へ進化すべきということです。マスマーケティングからリピート、リプレースが収益のキーとなってきた今日、作ったものを効率よく売る企業中心の経営から、顧客が望む商品・サービスを提供する、真の顧客中心経営へ脱皮するためには、顧客を軸にして戦略やビジネスの仕組みを考えなければならないからです。価格、コミュニケーション手段、販売チャネルすべてを、顧客単位で利益とROIを判断しながら決定するのです。

企業の中心はCRMセンターに
各部門はそこから対価を受ける

  具体的に組織構造はどうなるのですか。

松下 カスタマーセンターが顧客セグメント別の“CRMセンター”組織へと進化し、ここが企業の中で唯一のプロフィットセンターとなります。そして、短期、中期の利益責任を担う一方、新規顧客の獲得や製品開発・生産・物流といった従来の組織はCRMセンターの支援部門の役割を果たし、センターからその対価を受ける構造になる。またそうなるべきだというのが私の主張です。従来の商品、サービスを軸にした縦割りから、顧客層ごとの横割りへと転換するのです。

  本当に実現できるのでしょうか。

松下 1企業では組織的なしがらみなどがあってなかなか一気には進みません。しかし、エリアを限った企業連合の形で既に動きは出てきています。そこに明確な顧客ターゲットがあるからです。その際、どこがイニシアチブを執るか、またリスクマネジメントの問題などクリアすべき課題はありますが、こうした企業連合の形から、やがて個々の企業の組織構造が変わっていくことになると思います。もちろん業種や、顧客が個人か法人かによって進化のスピードと組織構造は異なると思いますが、方向性としては確実に顧客軸がより強くなります。その意味で、CRMセンターへの進化の度合いが顧客中心経営へ転換する指標と成り得ます。
 そして、カスタマーセンターのマネージャーの方に是非申し上げたいのは、CRMセンターへの構造転換はまだ遠い話だと思われているかも知れませんが、顧客の声をヒントにして商品・サービスができる、あるいは業務プロセスが変わるというフィードバックの仕組みを作ることが第一歩です。最初は小さなアプローチの積み重ねでも、それが今後非常に大きな意味を持つことになります。
(聞き手・鈴木 信之)

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