XAI(説明可能なAI)
──そのとき人工知能はどう考えたのか?
AIの説明責任を果たす手法とツールを解説
大坪直樹・中江俊博・深沢祐太・豊岡 祥・坂元哲平・佐藤 誠・五十嵐健太・市原大暉・堀内新吾[共著] B5変型判 248ページ 定価:2,860円(税込) ISBN:978-4-86594-292-7 2021年7月上旬刊行
電子書籍
AIが出した答について「なぜ?」「どうして、そうなるの?」と問われた開発者は、絶句するほかありません。そこを機械に任せるための機械学習なのですから、「黙って信じてください」と頼みますか? この難問に対し、人間が納得できそうな理由や根拠を示す技術が「説明可能なAI」(eXplainable AI:XAI)です。本書では、実際にどのような「説明」が必要とされ、また、可能なのかを丁寧に解説。代表的なXAI技術の概要を紹介し、PythonのXAIライブラリLIMEやSHAP等の使いこなしを手引き。AIの業務適用で迫られる「公平性・説明責任・透明性」という3つの要求に備えます。
内容詳細

●本書のテーマ
業務へのAI導入が本格化するなか、「AIの説明責任」──即ち、AIの出す推論結果に根拠を示せないことが問題になっています。その解決策としてXAIが注目され、様々な実装コードが公開されていますが、研究者向けの論文が多く、ビジネス現場の実情に即した技術解説は見当たりません。「AIの説明責任」はエンジニアとビジネスパーソンの双方にとって喫緊の課題であるにもかかわらず、基本認識を共通化できるような網羅的・体系的な整理を欠くのが実情です。
本書はXAIについて、背景から個別技術までを体系的に学び、いくつかの主要ライブラリを試しに動かしながら、実務適用に向けた知識を習得できる待望の解説書です。

●想定読者
・AIや機械学習を扱った経験がある、または勉強中の技術者
・AIや機械学習の業務適用を検討しているビジネス担当者

【前提とする知識やスキル】
・機械学習の概要を理解している方(入門書を2~3冊読んだ程度で可)
・AI開発/導入の実務経験はないけれど、実用化に向けた課題を知りたいという方
・Pythonのコードを書ける、少なくとも写経はできる方
・何らかのプログラミング言語に触れ、変数や構文くらいは理解している方
・高校程度の数学の知識。簡単な関数やベクトル演算、集合演算等の数式表現に強い抵抗のない方

●本書で獲得できる知識やスキル
・「AIの説明責任」について、重要性や課題を説明できるようになります。
・AIの業務適用では、誰にどのような「説明」が求められ、現在のXAIで何が可能か解ります。
・XAIによる「大局説明」と「局所説明」の使い分けができるようになります。
・各種のXAIの狙いや動作原理を平易な数式で把握。主な手法の得手/不得手、扱うデータや解くべき問題の違いが解ります。
・各種XAI技術を俯瞰し、説明相手や性能要件、データ特性、AIのアルゴリズム等に応じて、手法選定にあたりをつけることができます。

●本書の内容と読み方
・前半(第I部・II部)は、XAIの概要を知るための読み物。
・メインパート(第III部)ではXAIのハンズオンを通じ、手法選択、実装手順、結果の読み解き方を学びます。サンプルデータを使い、現在主流のXAIライブラリをPythonで実装、結果を出力し、その読み解き方までを通しで習得できます。サンプル事例を扱わないXAIについても、利用場面や出力例を確認できます。
・最後(第IV部)にXAIの限界などを紹介し、より発展的な使い方のヒントを提示します。

【本書では扱わない情報】
・XAIに関する高度な知識、数式の展開や証明
・Pythonや外部ライブラリ等の環境構築手順の詳細
・RなどのPython以外の実装

◆「AI/Data Science実務選書」とは…
機械学習やAIの計算モデルは、システム開発のパラダイムを覆しつつあります。「AI/Data Science実務選書」は、AI開発とデータサイエンスのプラクティスを集め、実務家のスキル獲得/向上を力強く支援します。


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■本書の主な内容
第I部 課題設定
第1章 AIになぜ「説明」が必要か?
第II部 基礎知識
第2章 「説明可能なAI」の概要
第3章 XAIの活用方法
第4章 様々なXAI技術
第5章 XAIライブラリの評価・選定
第III部 実践指南
第6章 LIMEによる表形式データの局所説明
第7章 LIMEとGrad-CAMによる画像データの局所説明
第8章 LIMEとIntegrated Gradientsによるテキスト分類の局所説明
第9章 SHAPによる局所的・大局的説明と応用
第10章 ELI5、PDPbox、Skaterによる大局説明
第11章 LIME、SHAPの苦手シーンと解決策
第IV部 将来展望
第12章 業務で求められる説明力
第13章 これからのXAI
付録 環境構築の手順