システム設計のセオリー II
――クラウドベース開発
今度はクラウドを前提に、実践で鍛え上げた手順を公開
赤 俊哉・川又眞綱・中西良明 共著 A5判 388ページ 定価:3,520円(税込) ISBN:978-4-86594-363-4 2023年6月下旬刊行
電子書籍
部分的にせよ全面的にせよ、クラウドサービスを抜きにして、企業のITシステムを考えることはもはやできません。オンプレミスでは不可能な柔軟性と俊敏性を獲得でき、最新テクノロジーも手軽に適用可能となりました。この革新性は「システム設計」の前提条件と、設計手法そのものにも大きく影響します。 前著『システム設計のセオリー』の刊行から7年を経て、「クラウドベース開発」を前提にして内容を全面刷新。定評ある前著の思想を踏襲しつつ、新たな共同執筆者2名を加え、より包括的に、より今日的に、システム設計の手本を明示します。
内容詳細
 ビジネスおよび業務に貢献するITシステムを、クラウドベースで開発する際には、クラウドならではのものと、オンプレミスで開発する際と何も変わらないものとが確かにあります。「クラウドならではの」とは、圧倒的な技術進化を許容し続けるための仕掛けです。「変わらないもの」とは、上流工程を含むシステム設計の重要性です。この「変わるもの」と「変わらないもの」をきちんと認識して理解を深めていくこと、それこそが本書のテーマです。
 本書では、クラウドベース開発でシステム設計を行うために、新たに変えるべきものと、変えてはいけないものとを明確にした上で、実践すべきセオリーを説明していきます。
 本書は拙著『システム設計のセオリー』の姉妹編であり、進化版とも呼ぶべき書籍です。今回は私以外に、バックボーンの異なる2人の執筆者との共同執筆という形をとりました。3人の知識を総動員して、幅広い視点からクラウドベース開発におけるシステム設計の手順を説明していきます。
(本書「はじめに」より抜粋)
■著者プロフィール
赤 俊哉(せき としや)
ITエンジニア。最初に下請けプログラマー、SEとしてIT業界の最下層に潜り込む。IT業界の闇をイヤというほど味わいながら、数々の悲惨なプロジェクトを体験後、ユーザー企業のIT担当へ転職。さらに業務の現場とデジタル責任者を経験。ベンダー企業のSE/プログラマー、ユーザー企業のシステム担当、利用部門という異なる立場からITシステムに関わってきた。その経験から上流工程の重要性を痛感するとともに、データ中心で考えていくことが日本のIT復活の処方箋であると考えるようになる。趣味(?)は末っ子ましゅー(8歳)との散歩。生まれ変わってもITシステムに関わる仕事に就きたいと考えている。
川又眞綱(かわまた まさつな)
BIPROGY(株)所属。アプリケーション開発標準であるMIDMOST for .NET Marisの開発に携わる。鉄道・流通・小売・金融など、様々な分野の大規模システム開発にアプリケーションアーキテクトとして参画。プロジェクトを通じて、2018年よりAzure DevOpsやGitHubを活用した開発プロセスのモダナイズを社内で推進。2022年からはOSSの活用を支援するサービスを主導し、様々なプロジェクトに寄り添った技術支援を生業としている。最近はキーボード沼に片足を踏み入れている。2児の父。
中西良明(なかにし よしあき)
ブライテクノ(株)代表取締役。大手家電メーカーでの研究開発、アンチウイルスソフト研究開発、Androidスマートフォンのセキュリティソフト開発などを経験した後に2010年に起業。現在は、スマートフォンアプリ開発、IoT・ロボットソフト開発、研究機関の研究開発支援、技術コンサルティングなどを行っている。また、Android、iOS関連の書籍の執筆やセミナー講師なども行う。大学時代に基礎を作ってくれたX68000が好きでX68000Zももちろん入手したが、触る時間があまり取れなくて困っている。
■本書の主な内容
序 章
第1章 クラウドベース開発における「設計」
第2章 要求/要件定義のセオリー
第3章 データ設計のセオリー
第4章 プロセス設計のセオリー
第5章 CRUDマトリクス分析のセオリー
第6章 機能設計とUI設計のセオリー
第7章 ユーザビリティ設計のセオリー
第8章 アーキテクチャ設計のセオリー
第9章 クラウドファースト実現のために
第10章 成功パターンと失敗パターン