世界に響け 職人の心意気
ITを武器にものづくり復権を目指す、小さな組子メーカーの生き方
苦難を乗り越えた中小企業の感動実話
谷端信夫 著 B5変型判 216ページ 定価:1,540円(税込) ISBN:978-4-89797-894-9 2012年4月下旬刊行
撤退や廃業が相次ぐ伝統産業、「和」の産業。安い中国製品との競争やのしかかる借入金に苦しんだ著者も一度は和を捨て洋を選びました。しかし、顧客や家族、職人たちの支えにより、ITを駆使して消えかかった伝統工芸「組子欄間」の復活を目指します。中小企業経営者が失敗や苦悩、心意気を正直に綴りました。
内容詳細
「もう来なくていいよ」――取引先から告げられた。
「残る手段はこれしかない」――社長は背水の陣で望んだ。
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伝統産業・組子の家業を継いだ著者が失敗と苦悩、希望と気概を正直に綴った書。
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安い中国製品との競争、熟練職人の退職、のしかかる借入金…。
一度は消えかかった伝統工芸「組子欄間」を復活させインターネットで新たな販路を開いた富山県の組子メーカー・タニハタ。
苦難の中で社長を奮い立たせたのは、ネットから届く顧客の声、そして工場から聞こえる玄翁の音だった。
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安定した業界が存在しなくなった現在、タニハタと同様の事態はどの会社にも起こりうる。大切なものを守りつつ会社を存続させるために、我々は何をすればよいのか。
経営者、ビジネスマン、日本を愛する人に贈る1冊。

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space.gif■ちょっと閲覧   
 生き残るために、ビジネス領域を変えるspace.gifpdficon_s.gif(164KB)space.gif
 工場長の突然の退職。しかし経営は数字だ…。space.gifpdficon_s.gif(156KB)
 インターネットに活路を見出す、しかし顧客はゼロ…。space.gifpdficon_s.gif(248KB)
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■「COMPASS」の紹介ページもご覧ください。

■[本書の主な内容]
まえがき
第一章 職人の仕事ぶりは「音」でわかる
仕事場から聞える玄翁(げんのう)の響き
和室を彩る伝統木工技術「組子」
ものづくりの現場、職人の家
内閣総理大臣賞受賞
6階建てのビル――職人の気概
第二章 和から洋へ――組子を残すための決断
家業を継ぐ
職人の根っこを作る
類人猿とインターネット
洋風商材で活路を開く
職人のセールストーク
ヒットした「組子のラティス」とお墨付き
ベテラン工場長から告げられたこと
上げ潮・下げ潮
経営者の覚悟はできているか
「もう、来なくていいよ」
これしかない!――インターネットという光
第三章 背水の陣で臨んだインターネット
ゼロの三冠王
鬼の顔、仏の顔
IT時代の信用とは?
商売の王道を行く
メールと電話の使い分け
災害時のメルマガ失敗談
第四章 追い詰められたものづくりの現場
親指の氷詰め
手の甲の見えない傷
グッドデザイン賞
日本の文様、世界のブランド
ガラスの器に詰め込んだもの
「伝統なんて時代遅れだ!」
本当の肉の味
父の病室から見た春の立山連峰
手のぬくもりと借用書
現金という血液
原点に返る
第五章 今こそ「和」を取り戻す
「和のホームページ」で堂々といこう
色と雰囲気は会社の象徴
光と影を撮る――写真の役割
傾いた時計――職人の父の最期
「気概のビル」との別れ
希望――IT経営百選・最優秀企業賞受賞
店舗装飾用の組子欄間が誕生!
インターネットの神様が開いた世界への入口
幸福に向かうための撤退
第六章 ネット時代、中小企業が大切にしたいもの
モノの見方を変えてみる――「想像」と「創造」
目の前の利益、未来の利益――コスト
アナログとデジタル――コミュニケーション
進化するネットと「個」の重み――顧客への姿勢
ろうあ者の職人――人から学ぶ
仲間をつくるということ――ネットワーク
第七章 海を越える! 職人魂
作家と職人、作品と製品
ベテラン職人の耳
生涯現役でいこう
木が人を豊かにする
職人として他国の文化を知り、自国を誇る
作業場とサッカーボール
世界に響け、職人の心意気
玄翁の唄
あとがき