顧客の心理を読み解く
聞くスキル 聞き出すスキル
お客様は、「問い合わせのプロ」ではありません──。
何らかの疑問や問題があって、企業にコンタクトしますが、肝心の「何らか」をうまく説明できていないケースは、想像以上に多くあります。疑問の解消や問題の解決には、オペレータがお客様から「何らか」を引き出す「きくスキル」が必要です。本書では、「きくスキル」を8つの要素に分解して解説。トレーニング方法および具体的な実践法を、豊富な経験をもとに提示します。
内容詳細
著者プロフィール 研修講師・コールセンターコンサルタント。2007年に「きくスキル研究会」に入会し、有志とともに研究と検証を重ねる(2015年に活動終了)。広く人材をテーマにした企業研修講師として活躍している。 ■本書の主な内容 |
はじめに |
序章 「マイナスをゼロ」へ、「ゼロをプラス」へ |
・答えると応える ・問題解決は「マイナスからゼロ」 ・「きくスキル」はマイナスやゼロをプラスに変える ・職場での失敗 |
第1章 「きくスキル」の必要性 |
・聞けない損失 ・聞けない理由 ・お客様を知り己を知れば、百戦危うからず 事例 異物混入に対する誠意とは? ・お客様の求める2つの要望──「論理」と「感情」 ・「きく」ことの効用 |
第2章 きくスキル8つの要素 |
①あいづち力 ②復唱力 ③語彙(ごい)力 ④要約力 ⑤沈黙力 事例 間抜けな会話 ⑥質問力 事例 お客様の質問力に頼るべからず ⑦音声表現力 ⑧心情察知力 ・要素×要素で生まれる質の高い応対 ・主要素は能動、副要素は受動 ・「きく」は誰でも出来る! <コラム>危険な共感力 |
第3章 心情察知力の実践 |
・言葉を額面通りに受け取る危険性 事例 娘に合う家庭教師を見つけたい ・声の表情から感情を判断する ・推し量るために必要な「経験のデータベース」 ・心情察知力活用 3つのステップ ステップ1「感じる」 お客様の心情を察知する ステップ2「考える」 察知した心情を分析する ステップ3「対処する」 分析した心情に対して、応対をする ・心情察知力の習得 1 一緒に応対の録音をきく 2 テキスト化した応対を確認しながら、もう一度きく 3 心情察知する 4 分析する 5 応対を考える 6 読んでみる(ロールプレイング) 7 フィードバック ・トレーニングでつまずいたら/ステップ別対処法 ステップ1「感じる」でつまずいている場合 ステップ2「考える」でつまずいている場合 ステップ3「対処する」でつまずいている場合 <参考資料>理想のフィードバックシナリオ |
第4章 音声表現力の実践 |
・抽象的で最も恐ろしい要素「声の印象」──メラビアンの法則に学ぶ ・声の表情は顔の表情と連動する ・「声=表情=感情」──顔面フィードバック仮説 事例 場面に合った声の表情 ・音声表現力の習得 1 鏡を見る 2 映画や先輩の真似をする 3 会話の速度をコントロールする 4 あいづちで感情表現 <コラム>音声表現力とボイストレーニングの違い <コラム>音声表現の可視化 |
第5章 質問力の実践 |
事例 売れる店員、売れない店員 ・傾聴力は質問力、「意識」と「スキル」を養う ・意識:お客様に興味を持つと、出てくる疑問の数々 ・聞くという心理状態の3段階 第一段階「聞いていない」 第二段階「聞き流している」 第三段階「聞きつつ考える」 ・スキル/思考を刺激するマジック・クエスチョン 事例 マジック・クエスチョンで伝え漏れなし ・マジック・クエスチョンはツール化が望ましい ・マジック・クエスチョンの構成 ・「クローズ質問」で距離を詰め、「オープン質問」で引き出す ・「D質問」で会話を掘り下げる ・「もしも質問」で想像を促す ・マジック・クエスチョンの習得とツールの整備 1 お客様の背景を想像する 2 お客様の反応を想像する 3 シナリオを読み合わせ(確認)する 4 マジック・クエスチョンの抽出 <コラム>マジック・クエスチョン誕生の瞬間 |
第6章 「きくスキル」実用編 |
・クレーム対応──心理的距離を詰め、“感謝”に変える 「復唱力」「質問力」で傾聴状態をつくる 「あいづち力」でのせて「質問力」で情報収集 「語彙力」「要約力」で心情理解 ・営業、セールストークへの応用――思考を促しニーズを引きだす インバウンド:お客様の背景を探る 「質問力」で会話を導く アウトバウンド:相手が聞いている状態をつくる 「心情察知力」で効率的アプローチ 「質問力」「沈黙力」でお客様に話してもらう |
おわりに |