顧客の心理を読み解く 聞くスキル 聞き出すスキル
お客様は「問い合わせのプロ」ではない!
藤木 健 著 A5判 208ページ 定価:1,980円(税込) ISBN:978-4-86594-074-9 2016年12月中旬刊行
お客様は、「問い合わせのプロ」ではありません──。 何らかの疑問や問題があって、企業にコンタクトしますが、肝心の「何らか」をうまく説明できていないケースは、想像以上に多くあります。疑問の解消や問題の解決には、オペレータがお客様から「何らか」を引き出す「きくスキル」が必要です。本書では、「きくスキル」を8つの要素に分解して解説。トレーニング方法および具体的な実践法を、豊富な経験をもとに提示します。
内容詳細

著者プロフィール

研修講師・コールセンターコンサルタント。2007年に「きくスキル研究会」に入会し、有志とともに研究と検証を重ねる(2015年に活動終了)。広く人材をテーマにした企業研修講師として活躍している。


■本書の主な内容
はじめに
序章 「マイナスをゼロ」へ、「ゼロをプラス」へ
・答えると応える
・問題解決は「マイナスからゼロ」
・「きくスキル」はマイナスやゼロをプラスに変える
・職場での失敗
第1章 「きくスキル」の必要性
・聞けない損失
・聞けない理由
・お客様を知り己を知れば、百戦危うからず
 事例 異物混入に対する誠意とは?
・お客様の求める2つの要望──「論理」と「感情」
・「きく」ことの効用
第2章 きくスキル8つの要素
①あいづち力
②復唱力
③語彙(ごい)力
④要約力
⑤沈黙力
 事例 間抜けな会話
⑥質問力
 事例 お客様の質問力に頼るべからず
⑦音声表現力
⑧心情察知力
・要素×要素で生まれる質の高い応対
・主要素は能動、副要素は受動
・「きく」は誰でも出来る!
<コラム>危険な共感力
第3章 心情察知力の実践
・言葉を額面通りに受け取る危険性
 事例 娘に合う家庭教師を見つけたい
・声の表情から感情を判断する
・推し量るために必要な「経験のデータベース」
・心情察知力活用 3つのステップ
ステップ1「感じる」 お客様の心情を察知する
ステップ2「考える」 察知した心情を分析する
ステップ3「対処する」 分析した心情に対して、応対をする
・心情察知力の習得
 1 一緒に応対の録音をきく
 2 テキスト化した応対を確認しながら、もう一度きく
 3 心情察知する
 4 分析する
 5 応対を考える
 6 読んでみる(ロールプレイング)
 7 フィードバック
・トレーニングでつまずいたら/ステップ別対処法
ステップ1「感じる」でつまずいている場合
ステップ2「考える」でつまずいている場合
ステップ3「対処する」でつまずいている場合
<参考資料>理想のフィードバックシナリオ
第4章 音声表現力の実践
・抽象的で最も恐ろしい要素「声の印象」──メラビアンの法則に学ぶ
・声の表情は顔の表情と連動する
・「声=表情=感情」──顔面フィードバック仮説
 事例 場面に合った声の表情
・音声表現力の習得
 1 鏡を見る
 2 映画や先輩の真似をする
 3 会話の速度をコントロールする
 4 あいづちで感情表現
<コラム>音声表現力とボイストレーニングの違い
<コラム>音声表現の可視化
第5章 質問力の実践
 事例 売れる店員、売れない店員
・傾聴力は質問力、「意識」と「スキル」を養う
・意識:お客様に興味を持つと、出てくる疑問の数々
・聞くという心理状態の3段階
 第一段階「聞いていない」
 第二段階「聞き流している」
 第三段階「聞きつつ考える」
・スキル/思考を刺激するマジック・クエスチョン
 事例 マジック・クエスチョンで伝え漏れなし
・マジック・クエスチョンはツール化が望ましい
・マジック・クエスチョンの構成
・「クローズ質問」で距離を詰め、「オープン質問」で引き出す
・「D質問」で会話を掘り下げる
・「もしも質問」で想像を促す
・マジック・クエスチョンの習得とツールの整備
 1 お客様の背景を想像する
 2 お客様の反応を想像する
 3 シナリオを読み合わせ(確認)する
 4 マジック・クエスチョンの抽出
<コラム>マジック・クエスチョン誕生の瞬間
第6章 「きくスキル」実用編
・クレーム対応──心理的距離を詰め、“感謝”に変える
 「復唱力」「質問力」で傾聴状態をつくる
 「あいづち力」でのせて「質問力」で情報収集
 「語彙力」「要約力」で心情理解
・営業、セールストークへの応用――思考を促しニーズを引きだす
 インバウンド:お客様の背景を探る
 「質問力」で会話を導く
 アウトバウンド:相手が聞いている状態をつくる
 「心情察知力」で効率的アプローチ
 「質問力」「沈黙力」でお客様に話してもらう
おわりに