地域活性化へ 文化・芸術のデジタル活用
ICTが実現するアート/文化財の継承と新しい鑑賞のかたち
「地域の文化を伝承し、芸術鑑賞に新たな道を開く」 取り組みの事例
テレコミュニケーション編集部 編 NTT東日本 経営企画部 営業戦略推進室、株式会社NTT ArtTechnology 監修 B5変型判 236ページ 定価:1,980円(税込) ISBN:978-4-86594-263-7 2020年12月下旬刊行
日本の各地域に存在する有形・無形の文化・芸術資産は、その保存や維持・継承において、自然災害や人手不足、維持費用など困難な課題が増え続けており、存続自体が難しくなりつつあります。 一方、こうした現状を打開すべく、最新のデジタル技術やICTを活用し、文化資産等の存続と活用を図る新しい取り組みが進められています。本書は、地域の文化・芸術を守り、活かし、多くの人と共有して広げていこうとする志を持つ人々の取り組みをクローズアップした事例集です。
内容詳細

写真を豊富に織り込んだ全ページカラー構成

■本書の特徴

事例3部構成+巻末付録で、文化・芸術の伝承、活用に取り組む人々とさまざまな事例を紹介
第1部:文化・芸術資産の継続・伝承に取り組む事例を中心に収録
第2部:ICT等を用いて文化・芸術資産の保存・活用を図る事例を中心に収録
第3部:芸術作品の展示と鑑賞の場を設け、地域に貢献する事例を中心に収録
付録:「冨嶽三十六景」「東海道五拾三次」を展示した新しい体験型美術展と、10数点の代表的浮世絵作品を案内

■本書掲載の事例(一部)

・一般開示が困難な収蔵文化財の高精細レプリカを作成し、時と場所を選ばず展示可能にした博物館
・コロナ禍で、劇場とネット配信を融合させたオンライン・リアルという新たな演劇ジャンルに挑戦した公演主催者
・警備員不足の課題を抱える「花火」開催日に、ICTによる混雑の可視化を取り入れ、人員の最適配備をめざす自治体
・名画を鑑賞できるくつろぎ空間を設け、入居者に憩いの場の提供をめざす介護施設
・デジタル版の浮世絵展示と和室空間を設け、海外客に日本文化の再体験を提案する空港ラウンジ
・その他ユニークな事例を豊富なカラー写真とともに紹介


■本書の主な内容
Interview
東京藝術大学 社会連携センター 特任教授 伊東 順二 氏
アートはテクノロジーとともに進化
デジタルで地域の文化をより豊かに1
第1部 地域の文化・芸術を「守る」
第1章 山梨県立博物館
収蔵文化財の高精細レプリカを作成
時と場所を選ばず展示が可能に
第2章 東急文化村
新しい芸術の楽しみ方を提供
「オンライン・リアル」で演劇を上演
第3章 青森ねぶた祭
「ねぶた」をデジタルでアーカイブ化
地域の伝統を継承し すそ野の拡大へ
第4章 木更津港まつり
歴史を引き継ぐ港町の盆祭り
花火大会運営にICT を活用し伝統を継続
第5章 増穂登り窯
登り窯の伝統技術を継承する
焼成作業の映像・データを蓄積
第2部 地域の文化・芸術を「活かす」
第1章 株式会社アルステクネ
独自のデジタル復原技術で本物の感動を再現
モネ、北斎の所蔵者が公式に認定
第2章 東日本電信電話株式会社、株式会社NTT ArtTechnology
地域文化・芸術の伝承へICTを活用
そして、新しい鑑賞のかたちへ
第3部 地域の文化・芸術の「感動を伝える」
第1章 ヒルデモアたまプラーザ(東京海上日動ベターライフサービス)
新設ヒュッゲにデジタル絵画を展示
入居者に心豊かな生活を
第2章 NARITA PREMIER LOUNGE
空港ラウンジにオンラインデジタル北斎
日本文化に触れ「また訪れたい」との思いを
第3章 NTT 東日本 関東病院
病院で美術館の名画を鑑賞
患者の心の負担を軽くし癒したい!
第4章 袋井市
東海道五十三次と地域の縁を活用
まちの魅力づくりにデジタルミュージアム
付録 「Digital ×北斎【破章】北斎vs廣重」ガイド
I 「所蔵元認定の高精細デジタル化技術」×オンラインで実現する! デジタル絵画の新たな鑑賞
II 展示絵画の一部紹介
 葛飾北斎「冨嶽三十六景」より
 歌川広重「東海道五拾三次」より