コンピュータは、数百万のユーザーが利用するメインフレームから数億のPCがつながるクライアントサーバーシステムによる「第2のプラットフォーム」に進化し、そして今、IoTの時代を迎えてモバイルとクラウド、ソーシャル、ビッグデータで構成される「第3のプラットフォーム」への移行が始まっています。2020年には550億のデバイスがこの上で使われると考えられています。
そして今日、この第3のプラットフォームに対応するための新たなネットワークである“The New IP”に注目が集まっています。The New IPを構成する要素はいくつかありますが、その重要なものとして「オープン」があります。ブロケードはThe New IPへの進化を(1)新たなアーキテクチャに基づくSDNレディなネットワーク機器の導入、(2)ネットワーク機能の仮想化(NFV)、(3)ネットワークの抽象化と集中管理の3つのステップを踏んで進めていくことを提案しています。
第1のステップでは、物理インフラ(アンダーレイ)を、堅牢かつ圧倒的にシンプルなネットワークとして実現するイーサネット・ファブリックアーキテクチャによる再整備を提案しています。従来のネットワークではループ障害を回避するためSTPによる複雑な設定・管理が必要なほか、仮想化環境を実現する場合も運用負荷が大きいなどの課題があります。イーサネット・ファブリックではスイッチ同士をつなぐだけで自律的にネットワークが構成され、ループ障害も回避できる運用のしやすさで多くのお客様に採用されています。
ブロケードは4年以上前からイーサネット・ファブリックスイッチを手掛けるこの分野のパイオニア的な企業です。主力のBrocade VDX 6740/6740Tをはじめ、当社のスイッチ製品はVXLANに十分に対応できる能力があります。OpenFlowもサポートし、SDNへの対応も可能です。「箱を空けて、つなぐだけ 」で、The New IPに向けた物理インフラが整備できるのです。
第2のステップがネットワーク機能の仮想化(NFV)です。数十億のユーザーの利用が見込まれる第3のプラットフォームでは、コストの削減とともにオンデマンドでのスケールアウトや高速でサービスのデリバリを可能にするNFVが重要な役割を果たします。
NFVはすでにユーザーの宅内機器などの機能をサービスとして提供するCPEで実用化されており、この分野で大きな強みを持っているのが仮想ルーターのVyattaです。ルーターの機能をx86サーバー上で実現、例えば企業の拠点に先ほどのVDXなどでレイヤ2のインフラを整備すれば、データセンターからこのルーター機能を引っ張ってきて利用できます。当社ではロードバランサー、VPN、NAT、ファイヤーウォールなどの機能をCPEで提供できるソリューションも展開しています。ルーターなどの整備には通常発注から工事まで数週間かかりますが、これらのソリューションを使えば数分で機能を立ち上げられます。これらは主に通信事業者、クラウド事業者の企業向けサービスで使われ、企業が自らクラウドに実装して利用されるケースもあります。
仮想化ルーターというと「遅い」のではないか心配される向きもあるかと思いますが、テレフォニカ社との実証実験により80Gbpsの性能が出ることが証明されています。この「速い仮想化」をぜひご利用いただきたいと思います。
第3のステップのネットワークの抽象化と集中管理では、OpenDaylightによるSDNの実装、OpenStackベースのNFVで自動化やスケーラブルなマルチテナント環境を実現します。これにより「思いのままに操れる」新時代のネットワークが実現できるのです。
今、ネットワークをどう構築するかがビジネスに大きな影響を及ぼす時代となっています。ブロケードは「オープン」をキーワードにサービスプロバイダのビジネスに真に貢献できるネットワークの構築に貢献していきたいと考えています。
(文責・編集部)