有馬 24時間対応の無料IP電話ソフトウエア「Skype」を活用したカウンセリング相談窓口(コールセンター)があります。日本メンタルヘルス協会認定・心理カウンセラーや厚生労働大臣認定・産業カウンセラー、保健師、臨床心理士が生活全般の悩みから心の病に関する相談まで対応してくださることになっています。
今後、こうした窓口の種類を医療、法律と増やしていく予定です。電話相談サービスは無料ですが、病気の治療や司法手続きの依頼などは通常通り会員と専門家との間で料金が発生します。なお、会員は電話相談ではSkypeを利用していただく予定です。
いずれの相談窓口にも定期的な情報提供をお願いすることにより、どの地域の何歳のお子さんをお持ちの母親がどんな悩みを抱えているかというデータを集めて女性のニーズを割り出し、今後のサービス展開の参考にするつもりです。
――相談窓口にSkypeを推奨する理由は。
有馬 まず、会員は女性ですので、例えば家族には知られたくないデリケートな内容なども、電話代を気にせず好きなだけ相談できる仕組みを作りたいと考えていました。さらに、相談内容によっては人生を変えるかもしれない深刻なものもありますから顔の見える相手と話せることも必要だと思いました。Skypeを使えば、Web画面上で相談したい医師や弁護士を、名前や顔、略歴などを確認したうえで選べます。これは、エクストリーク社のゲートウエイシステム「VoSKY
Exchange」を導入することで実現しました。同システムは、従来Skypeでは実現できなかった呼分配(ACD)機能を構築可能なコールセンターシステムです。
またSkypeは、会員同士のコミュニケーションツールとしても活用できます。同じ悩みを持つ女性同士が直接会話をすることで社会からの孤立感を払拭するのに役立てばと思います。こうした会員同士のコミュニケーションや情報交換の場としては、コミュニティサイトも用意しています。子育ては地域色が強いということを鑑みて、地域ごとにコンテンツを設けているのを特徴としています。最近では外国出身のお母さんも多いので、各Webコンテンツは多言語対応にしています。まずは英語、中国語、韓国語、フランス語の4カ国語の翻訳体制を整え、今後徐々に対応言語を拡大したいと考えています。
――サービスの対象者を子育て中の女性に絞るということですが、会員の特定はどうやって行うのでしょうか。
有馬 母子手帳を持っていることが会員登録の前提になります。会員登録時には氏名やお子さんの年齢など母子手帳の情報と同等のものを入力してもらいます。入会対象者は、基本的に母子手帳交付済みの妊婦から6歳のお子さんを持つ母親までですが、育児に悩むのは母親だけではなく周りの人間も含むという考えから、会員の夫や両親に向けた専用Webサイトも立ち上げる予定です。