メラノックスは、データセンターのサーバーやストレージ間の接続などに使われているインターコネクト製品を手がけており、InfiniBand分野では市場をリードしています。近年はイーサネット製品にも非常に力を入れていまして、今年世界初となる100Gbpsイーサネットスイッチの提供を開始しました。本日は、このイーサネット製品を中心に、私どもの次世代ネットワークへの取り組みを紹介させていただきます。
クラウドサービスやIoTの進展、ビッグデータを活用する多様なサービスの登場に伴い、データセンターや企業のネットワークにも格段に高いパフォーマンスが求められるようになってきています。
こうした中、データセンターでは10G/40GイーサネットによるSpine/Leaf 型のネットワークが採用されるようになっていますが、この領域は遠からず100Gbpsイーサネットが主力になると見ています。当社の100Gbpsイーサネット製品は、すでに既存の10G/40Gbps製品とほぼ同等のコストで導入できるようになっているからです。
私どもがこの分野で展開している製品の1つにスイッチングチップセットの「Spectrum」があります。現状では、ノンブロッキングでの100Gbpsイーサーネットに対応する唯一の製品です。スループットは6.4Tbpsにまで拡大でき、遅延も300ns(ナノ秒)と非常に小さく抑えられています。
ネットワークアダプターのConnectX-4は、100GbpsまでのイーサネットとInfiniBandにも対応し、遅延も非常に小さく抑えられています。
当社は、100Gbpsイーサネットを、スイッチからネットワークカード、コネクター・ケーブルまでのトータルソリューションとして展開しています。
ConnectX-4では、複数のCPUをまとめてチップセットに直接PCI Express バスで収容する「マルチホスト機能」をサポートしていますが、これを活用した設備を構築してOPEX/CAPEXの削減を実現するクラウド事業者などの事例も出てきています。
当社のイーサネット製品の特徴として、Open Ethernetのほか、グーグルやマイクロソフトが主導する25G Ethernet Consortium、Open Compute Project(OCP)などのオープンな技術標準を採用することで、新しい技術の早期普及を進めようとしていることが挙げられます。
さらに、大きな差別化ポイントとなっているものにVXLAN/NVGREのオフロード機能があります。多くのデータセンターや企業でアクセス制御の手段としてVXLAN/NVGREが用いられていますが、この技術を仮想環境で利用する場合、処理にサーバーのCPUリソースの相当部分が消費されてしまうという問題があります。当社のネットワークアダプターとイーサネットコントローラを用いることでこの問題を回避し設備を有効利用することができるのです。
加えて当社の製品ではネットワーク上のストレージのデータのやり取りを効率的に行えるようにするRoCE (RDMA over Converged Ethernet)などもサポートしています。
スイッチ以外の部分にも目を向け効率を高めている点が、当社の製品をお客様が選択いただく大きな動機になっているのです。
当社の製品開発の大きな狙いは効率性を高めTCOを下げることにあります。これによりデータセンターの収益向上に貢献していきたいと考えているのです。
私どもが現在、力を入れている取り組みの1つにNFVベンダーとの協業があります。例えば仮想化モバイルコア(vEPC)が十分なパフォーマンスを発揮するにはI/Oの強化が不可欠です。弊社のインターコネクト製品はこれを実現する有力な手段になります。すでにvEPCを展開するAffirmed Networks社や仮想化ロードバランサーを手掛けるRadware社とのプロジェクトが進んでいます。
(文責・編集部)